WorkBench 入門講座 その1

はじめに

みなさん,どのようなAmiga Lifeを過ごしておられるでしょうか。新しくCFCに入会された方も多数おられると思います。さて,新規入会の方から多数,Amigaの入門コーナーを掲載してほしいというおたよりが多数寄せられましたので,今回より,AmigaのWorkBenchについて連載したいと思っています。また,まだAmigaをもっておられない方にも参考になるようにも書かせていただきます。

ここではA1200のWorkBench3.0を中心にかかせていただきます。その他のAmigaとも基本的な使い方は同じですので,参考になると思います。なお,Amiga OSというのはこのWorkBenchの他に,KICKSTARTを併せて言う場合もあります。KICKSTARTとはROMに入っているOSで,KICKSTARTはWindowsマシンを例にとると,感覚的にはMS-DOSで,WorkBenchはWINDOWSといったことになると思います。ただ,その昔A1000や初期のA3000はこのKICKSTARTがフロッピーで供給されていたことがあります。

A1200の現状

さて,A1200を手に入れて..。なに!まだ手に入れていない!そうそう,現在Amigaの製品は全世界的に供給不足だそうです。日本も例に漏れず,特にA1200はかなり手に入りにくい状態です。これというのもここまで売れるとは思ってもみなかったというのが現実のようです。日本でもウゴウゴ効果というのが底辺にあって,MACが98状態に陥ったという現実がA1200の人気だと思います。世界的にもCD-32がバカうれで,生産ラインをA1200に回す余裕がないとのこと。おまけにCD-32がゲームマシンとして売れるに沿ってA1200の人気も押し上げているようです。

(A1200の写真)

さて,A1200にはHDタイプとFDタイプの両方があります。手に入るならどちらでもいいのですが,最近はHDDが大容量化していまして,FDタイプを買って大容量のHDDを自分で内蔵するというのがいいと思います。また,HDタイプを買ってしまった方でもより大きいHDDを手に入れて自分で入れてもかまいません。このA1200のHDDですが,IDEというIBMのパソコンに主に使われている規格のものです。A1200に入れるにはそのうち,2.5インチのIDEのHDDをほうりこめばいいわけです。このA1200に入る2.5インチIDEのHDDはいまではかなり安く売っています。PC-9801のノートタイプのものはほとんどこの手の物です。この98NOTEのHDDのケースをバラして,中のHDDだけを取り出します。これがすっぽりA1200に入ります。

A1200を裏返してねじをはずします。このときプロテクト・シールが貼ってありますが,気にせずはずします。(気になる方はこのねじを外さないでください。筆者ならびにCFC/、MIGA Japan&メ集部は責任をもちません。)写真にあるようにHDDのマウントケースが入っています。このときキーボード・ケーブルを本体側のコネクターから力がかからないように外します。これをもとへ戻すには,コネクターの外側を持ち上げてケーブルを差し込み,コネクターの外側を押し込みます。なお,中にはこれ以外のコネクターになっているものもありますので,ケーブルを切らないようにしてください。キーボードを外さなくてもHDDは取り付け可能です。HDDのマウントケースにねじでとりつけます。ねじがない場合は適当に用意してください。きれいにはまると思います。さらに本体のHDDコネクタとこのIDEの40ピンのコネクタをケーブルで結びます。このケーブルを手に入れるにはコモドール社から出ているA1200-HDDアップグレード・キットを購入すれば手に入ります。(後で述べるインスツールツールも入っています。)ケーブルだけならDr.Amigaで\2,000で売っています。

Install Tool

さて,このHDDにWorkbenchをインスツールするわけですが,インスツールする方法としては前述のアップグレード・キットに入って入るインスツール・プログラムを使います。残念ながらA1200のインスツール・キットはフリーウェアではありませんので,お近くのAmiga Shopで手に入れて下さい。ただし,A2000などのWorkBenchが2.Xのものはすでにフリーウェアのインスツール・ツールがNIFtyにアップされてりますので,利用して下さい。

HDToolBox

さらに,インスツールするまえにHDDをフォーマットしなくてはなりません。これにはインスツール・ツールの中に入っているHDToolBoxを使います。まず,A1200に同梱しているWorkBench3.0のFDDをディスクドライブに入れて立ちあげて下さい。それから(1ドライブの場合)インスツール・ツールのフロッピーに差し替え,そのアイコンをクリックし,HDToolsの中のHDToolBoxをクリックします。すると図のような画面が現れます。

(図)

まず,InterfaceはSCSIになっています。IDEを使っていますけど,これはこれでかまわないのです。ADDRESSというのはSCSIの認識番号です。Statusは最初はUnknownになっています。ここで,"Change Drive Type"を選択します。Drive Typesをクリックすると,SCSIとXTが選択できます。HDDがIDEなのにかかわらず,ここはSCSIでいいのです。なぜかって?それはAmigaだからさ!と答えておきましょう。実にいいかげんなもんです。次に"Define New..."を選択します。さらに右上にある "Read Configration"をクリックすると,接続されたHDDからデータが転送され,製作会社などが表示されます。ここで,勘違いするのはあくまで,HDDからのデータの転送で,Amiga側がHDDを認識するためのデータをもっていないことです。市販のLow-level Format済みのものには細かい設定を要求するものもありますので,シリンダーの数などをマニュアルに決められたように設定をし直して下さい。多くの場合はこれは自動的に設定された値でOKです。

Low-level Format

さて,ここでまずHDDをLow-level Formatしなければなりません。ただ,IDEのHDDの中には前に述べたようにすでにLow-level Formatをしてあるのがありますので,買い入れたHDDの取り扱い説明書をよく読んで下さい。Low-level Format済みのものの中には,へたにLow-level Formatをするとセクターが破壊されることがありますので,気をつけて下さい。

Partition

次にHDDのPartitionを設定しますが,ここではデフォルトのまま設定いたします。このデフォルトはHDDを2つに分けています。丸々ひとつのファイルでもいいのですが,WorkBenchがなんらかの事で壊れた場合はPartitionをわけることによって,WorkBench以外のアプリケーションなどをもうひとつのPartitionにいれることによって,このデータまでも壊さなくて済むということが考えられます。さて,すでに市販のLow-level FormatしてあるHDDの中にはシリンダの数を設定しなければならない場合がありますので,Advanced Optionをクリックして設定して下さい。これをクリックすると"Change..."というアイコンが出て来ます。これをクリックすると,さらに細かいHDDの設定が行えます。ここで"MaxTransfer"という設定値があります。HDDの中には(特に98NOTE用)トランスレートの関係でA1200と相性が悪く、ファイルを読み書きしているとファイルがつぶれる場合がありますが,このMaxTransferの値を16進数で1桁少なくしてやると(0xfffffffをOxffffffにする)うまく動く場合がありますので試して見て下さい。少なくしてやってもなんらHDDの速度に問題はありません。

さて,Partitionを2つに分けた場合,それぞれのPartitionの帯をクリックしてやると Partition Device Nameが変化します。それぞれのPartitionに別の名前をつけます。(たいがい自動的にADH0:,ADH1:などになっています。ここではDH0:,DH1:としておきます。)そして,WorkBenchを自動的に立ちあげるために,WorkBenchが入るPartitionの方をBootableにするためにクリックします。そうすれば,もうフロッピーから立ちあげる必要はなくなります。しかし,間違ってWorkBenchの入っていない方をBootableにしないようにして下さい。 このあと,HDDをVerifyして,"Save Changes to Drive"をクリックして,これらのデータをSaveして下さい。そしてEXITでフロッピーのWorkBenchにもどります。(このとき,1ドライブの場合WorkBenchのフロッピーと差し替えて下さい。)

イニシャライズ

WorkBenchにもどると,あらら,ディスクのアイコンDH0:????,DH1:????が表示されています。こんどはこれをイニシャライズしなければなりません。さきほどのLOW-LEVEL FORMATとは異なり,これはフロッピーを初期化するものと同じと考えて下さい。まず,DH0:????のアイコンをマウスの左ボタンで1回クリックします。するとこのディスクアイコンは凹んだ表示になります。これで,このディスクが処理待ちだということです。マウスのポインタを右ボタンを押しながらプルダウンメニュー(ポインタを最上部に移動すれば表示されます。)のIconsにもってきます。ここで太字で表示されているコマンドがこの状態で使えるわけです。このコマンドについては次回以降に掲載します。ここでマウスのポインタを"Format Disk..."までずり下げます。そうすると次のような画面が出て来ます。

まず,New Volume Nameですが,初期値は"Empty"になっています。ここにマウスのポインタをもって来て,キーボードから新しい名前に書き直します。ここではあとで述べるインスツール・ツールをつかうのでそのままにしておきます。Put Trashcanというのはゴミ箱を設置するかどうかを聞いているわけです。このゴミ箱はファイルを削除したいときなどに使いますので,マウスのポインタでチェックをいれておきましょう。

そして下段の"Format"をクリックするわけです。クリックすると"All data Will be lost!"と注意をしてきます。そのまま,さらに"Format"をクリックします。すると,フォーマットが開始されます。

WorkBenchをインスツール

さて,いよいよWorkBenchをHDDにインスツールするわけです。Install Toolのフロッピーをドライブに入れて,アイコンをクリックします。をInstallのドロワーの中に色々な言語が出て来ます。ここではすかさずEnglishを選びましょう。(強制はいたしません。)このとき,1ドライブであるなら,WorkBenchを要求しますのでWorkBenchのフロッピーを入れて下さい。さらに,またInstall Toolを要求されることもあります。そのたびにその指示に従って下さい。すると,このツールの説明が表示されます。すかさず,Proceedを選びましょう。次に,"Install Release 3"というアイコンがあります。これをクリックすればいいわけですが,"Update Language"というのがあって,これはすでにインスツールされたWorkBenchを更新する場合に使います。インスツールを中止する場合は"Abort Install"を選んで下さい。

Novice User

次に"Set Installation Mode"が表示されます。初心者であるなら,"Novice User"をクリックして下さい。これをクリックすると,A1200添付のディスクの内容ををすべてインスツールすることになります。"Proceed With Install"を選んで下さい。次に言語を聞いて来ます。これは最初にEnglishを選んだのですから,そのままEnglishにチェックがついています。さらにProceedをクリックすると,プリンタ・ドライバの表が出て来ます。これはお手持ちのプリンタにチェックをしてやって下さい。これ以外の国産のプリンタであれば,EPSONにしておけば,いいと思います。NECのプリンタでも,NECのドライバでは動かないことがありますので要注意です。次にKeymapを聞いて来ます。これはAmericanにして下さい。まあ,ここらへんは好きなように...。