Amiga Workbench 入門講座その(2)

はじめに

前回はA1200を使って,WorkbenchをHDDにインストールするものでしたが,今回からはいよいよ,Workbenchの内容に迫ってみたいと思います.また、いろいろとこの講座に関して,おたよりやご指摘がありましたので,訂正を含めて述べてみたいと思います.

Early Sturtup

(Amiga Early Sturtup Controlの画面)

さて,モニターやマウスなどをつなぎ,A1200の電源を入れれば,画面にWorkbenchが現れますが,ここでマウスの左右のボタンを押しながら,A1200の電源を入れれば"Amiga Early Sturtup Control"の画面が現れます.さて,最初に"Boot Option"の説明をします.ただ,現在は電源を入れるだけでHDDに入っているWorkbenchにあるSturtup-sequenceを読みにいって,Workbenchが起動します.Sturtup-sequenceはちょうどMS-DOSのAUTOEXEC.BATの働きをするようなものです.これを"Boot Option"を選択すると,どのドライブからBootをするかを聞いて来ます.(左側のリクエスタ)初期値はDF0:になっています.これは,HDDにWorkbench(Sturtup-sequence)があっても,優先的にDF0:のドライブをアクセスするようになっています.HDDにWorkbenchが入っていてもゲームなどのDiskをDF0:に入れると,そちらの方が優先して,DF0:に入っているWorkbenchなり,DOSが働きます.

ここで,例えばDF1:(セカンドドライブをつないであったとして)を選択すると,左下のUSEをクリックして,さらにBootをクリックすると,DF1:のソフトが起動します.このとき,DF1:に入っているSturtup-sequenceがじゃまになるようなソフト,例えばゲームなどを起動するときは,"Boot without Sturtup-sequence"を選択して起動させることができます.

Boot Option

さて,さきほどの"Boot Option"の画面ですが右側のリクエスタをクリックすると,"Enable"が"Disable"に変わります.Disableにするとそのドライブは動作しません.ためしにDH0:(私の場合はADH0:)をクリックしてDisableにし,Use-BootをするとHDDからの起動はできません.また,電源を切ればもとに戻ります.

(Boot Optionの画面)

さて,そのリクエスタの下にある"Disable CPU Cashes"ですが,A1200にある68020-CPUそのものについているキャッシュがいままでのAmigaの68000-CPUとの互換性を保つために,わざと無効にしてしまうものです.これはいままでのAmigaで動作していたゲームなどが動作しないときなど一度クリックして試して下さい.A1200で動作する場合がありますので試して見て下さい.

Display Option

(Display Optionの画面)

さて,次の"Display Option"ですが,これがあるお陰でA1200でPALでもNTSCでも両方のデモなどのソフトが簡単に動作できるようになりました.今まではPAL-Patchなどを当ててNTSCのモニターでPALのデモを見ていましたが,A1200では簡単に切り替えることができます.また,左の"Chip Type"は"Best Available"を選択するとAGAチップに対応したソフトが動作します.それ以外のものは"Original"を選択します.しかしながらこれはWorkbench3.0のためのもので,例えばゲームなどアドレスを直接アクセスするために書かれたプログラムには動作いたしません.Workbench3.0を動作させてその上で動かすDELUXE PAINT IVなどについてはこのオプションは有効です.

Workbenchのバックアップ

GUIの基本的な使い方については,すでにMACやWindowsで有名でその使い方については述べる必要もありませんが,最低のことについては書かせていただきます.

(Copyのリクエスタの画面)

まず,付属のWorkbenchなどのDiskを始め,6枚(5枚)のDiskをあらかじめ,バックアップを取っておいて下さい.外部DiskDriveがある場合はDF0:にオリジナルを入れて,DF1:にコピーされるDiskを入れて下さい.このとき,コピーされるDiskはフォーマットされていなくてもかまいません.そして,DF0:のDiskのアイコンをマウス左ボタンでずらしながらDF1:に重ねて下さい.すると,フォーマットされていないDiskは???がBUSYとなり,コピーをつづけるかどうかのリクエスタが出て来ますので"Continue"を選んで下さい.外部DiskDriveがない場合はプルダウンメニューから"Copy"を選ぶか,[左Amigaキー]+[C]を押して下さい.いずれの場合もコピーするDiskのアイコンをクリックしてアクティブにしておいて下さい.1つのDiskDriveでもDiskの入れ替えでコピーできます.コピーされたWorkbenchは"Copy_of_Workbench3.0"となっていますので,[左Amigaキー]+[R]でRenameリクエスタを出して(あるいはプルダウンメニューから),キーボードから"Copy_of_"の文字を消しておいて下さい.

私はよくWorkbenchのStartup-sequenceをよく壊すため,HDDがあってもこのコピーしたDiskのWorkbenchはいつも使っています.ぜひともバックアップをして下さい.

質問および訂正

前回のWorkbench講座その(1)にはたくさんのお手紙(電子メールを含む)やご指摘がありましたので,ここで述べたいと思います.まず,98NOTE用のHDDを使われた方からの質問ですが,どうも動かないという報告がありました.私の使っているのはAREALというメーカーのものですが,SEGATEはうまく行くがそれ以外は相性が悪いという報告を受けました.私のAREALについてもこれはSEAGATEの細かい部分とは設定が違っています.このAREALのDiskはすでにLow Level Formatしてあったので,これ以上Low Level Formatをすると壊れてしまうという注意書きがついていました.メーカーによってはシリンダ数がちがっています.(これは前号でも述べました.)

さらにMaxTransferの設定ですが,これも自分のHDDに併せて設定を変化させて下さい.(ついでに1桁少なくしてやるという部分の誤植もありました.おわびいたします.)また,HDDがIDEなのにSCSIを選択するというのはA1200のマニュアルにも書かれていました.これについてもおわび致します.

さいごに

さて,今回もWorkbenchの本題に入れずに終わってしまいそうです.今回は大阪フォーラムなどの記事が重なり,時間的に余裕がなかったため,これだけの記事になってしまいました.次号は本格的にWorkbenchの中身についての操作を中心に書いてみたいと思います.なお,この記事は私の一方的な思い込みや独断がありますので,記事に書かれたことについての責任は負えませんのであらかじめご了承ねがいます.