Amiga Workbench 入門講座 その(3)
はじめに
いよいよWorkbenchをHDDにインストールしたならば,自動的に電源を入れると,Workbenchが動作します.ここで,もしWorkbenchが動かないことが良くあります.いろいろな原因が考えられますが,S:sturtup-seuence(MS-DOSではAUTOEXEC.BATにあたる.Amigaが起動されると,このスクリプトが最初に動作する.)またはS:user-sturtupが何らかの理由で変更されてWorkbenchが起動しないことがたまにあります.その場合shellのみの画面になってしまいますが,そのときには">LoadWB"としてやるとWorkbenchが起動することがありますので,試して見てください.私は他のソフトをインストールしたときに,よくsturtup-seuence,user-sturtupを変更してしまってWorkbenchを読みに行かないことがよくありますので,この方法で凌いでいます.
WINDOW
まず,Workbenchを起動すると,ふつうはRAM DiskとWorkbenchのツールなどが入ったアイコン(ふつうはWB3.0xと表示されている.)が表示されます.このWB3.0xのアイコンをダブルクリックするとツールなどが入ったwindowが現れます.ここでこのwindowの各部の名称と働きを述べておきます.ここでサブディレクトリィのある(windowを開くとさらにアイコンが表示される)ファイルまたはアイコンを特にドロワーまたはドロワーアイコンと呼んでいます.ふつうは引き出しのアイコンの形をしていますが,それ以外の形もあります."Trashcan"もドロワーのひとつです.サブディレクトリのないアイコンをファイルアイコンと呼んでいます.
なお,現在ではGUI環境のパソコンがかなり普及したので,なにをいまさらと思うかもしれませんが,やはり MS-WINDOWSやMACとは異なるところがあるので,あえて述べさせていただきます.(ただ,私はWINDOWSもMACもあまり知りませんが.)
(図)
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Title/Move Bar アイコンのタイトル,容量など.ここをマウスの左ボタンを押しながらwindow全体を移動させる.
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Zoom Gadget ここをクリックするとwindowが非常に小さくなる.Sizing Gadgetにより大きさを任意にしておけば,このZoom Gadgetを押すことにより2つの大きさのwindowを瞬時に選択できる.なお,これはwindowを閉じるともとに戻る.(サイズの大きさは1つしか保存できない.)
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Front/Back Gadget ここをクリックすると,複数開いたwindowの一番後ろに移動する.WorkBenchのwindowの裏にももぐりこみます.これを防ぐためには,プルダウンメニュー[Workbench]のBackdropを選択すると,WorkBenchの枠が取り除かれるとともに,Workbenchの裏に表示されないようになります.
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Scroll Gadget windowの中にあるアイコンをスクロールします.
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Sizing Gadget windowの大きさを決めます.
Drag/Multipie Copy
さて,そこでWorkBenchのRAM Diskをダブルクリックしてオープンします.初期状態ではもちろんアイコンは入っていません.(にもかかわらずファイルは入っています.)ここに,例えばWorkbenchのUtilitiesをオープンして,その中のクロックをRAM:(RAM Disk)にコピーしてみましょう.元のクロックまでマウスポインタをもってゆき,そこで左ボタンを押したままの状態にします.そのまま押したままの状態でRAM:にもっていって,左ボタンを離します.このコピーの方法を"Drag Copy"と言います.
(図)
次に複数のアイコンを一度にコピーする方法を述べます.これを"Multipie Copy"と言います.まず必要なアイコンをマウスの左ボタンを押しながら四角の破線で囲みます.そのあと,シフトキーをおしたままの状態で,囲んだアイコンの一つをクリックして,コピー先のwindowの中にもって行きます.このMultipieの方法はその他のプルダウンアイテムにも使えます.
プルダウンメニュー[Workbench]
さて,マウスの右ボタンを押しながら,WorkBenchの上の部分にもっていくと,[Workbench][Window][Icons][Tools]のプルダウンメニューが現れます.それぞれのアイテムを選択するには,押さえたままポインタを降ろして,そこで離します.また,ショートカットキーが使えるアイテムにはアイテムの後ろに表示がしてあります.例えばWorkbenchのBackdropは[右Amigaキー]+[B]で動作します.
(図)
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Backdrop 前述のWorkbenchの枠を取り除くアイテム.通常のWorkbenchを選択するにはもう一度このBackdropを選択します.電源を切ったりリセットをすると,通常のWorkbenchに戻ります.
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Execute Command Shell windowからではなく,直接AmigaDOSコマンドを入力する場合に使います.リクエスタが現れて,コマンドを入力すると,OUTPOT windowが現れます.Close Gadgetを選択するまでは開いた状態になります.なお,このAmigaDOSコマンドは,dirやLoadWB,Pathなどを使うと便利です.
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Redraw ALL Workbenchにあるすべてのアイコンを再度画面に表示します.これは,なんらかのソフトを動作している時に障害が起きた場合,このアイテムを選んで,次の動作に移るときに使用します.これで正常な状態に戻らなければリセットするしかありません.
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Update ALL これは,現在すべてのオープンしているドロワーwindowのすべてについて,再び画面に表示するものです.Redraw allとの違いはアイコンの位置など保存されない状態ではもとの起動時の状態にもどります.また,AmigaDOSで入力されたコマンドは,これにより更新されます.また,後に述べる[Icons]のInformationでのprotection flagもこれにより更新されます.
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Last messsage タイトルバーに表示された最新のメッセージもしくはエラーメッセージを表示します.
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About Workbenchやキックスタートのバージョン,著作権を表示します.
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Quit WorkbenchのClose Gadgetをクリックするのと同じです.まちがってこれを選んでShellが出たら,LoadWBとタイプしてWorkbenchを表示して下さい.
プルダウンメニュー[window]
(図)
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New Drawer ドロワー(引き出し)を作成したいwindowを開きます.そしてこのNew Drawerを選択すると,"Unnamed1"という名がつけられたドロワーが作成されます.ここでリクエスタが名前の変更を聞いて来ます.現在の名前を消して新しい名前を入力してください.これはMS-DOSのMD(MakeDirectry)にあたります.
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Open Parent 一つ前の親window(親ディレクトリィ)を表示します.MS-DOSでは"."(ピリオド)にあたります.
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Close windowのClose Gadgetをクリックするのと同じです.
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Update [Workbench]の"Update All"に似ていますが,windowがアクティブ(開いて選択されている)な場合のみ更新されます.これも"Update All"と同じでアイコンの位置は初期設定に戻りますので,後に述べるSnapshotを選びます.
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Select Contents windowにあるすべてのアイコンを選択します.Multipieで選択したのと同じ状態です.これにより一度にDeleteやCopyなどができます.
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Clean UP windowの中にあるすべてのアイコンを適正にならび変えます.これは次の"Snapshot"で保存をします.
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Snapshot このアイテムはwindowのサイズ,位置など,あるいはwindowの中のアイコンの位置などを保存します.これにはさらに2つのサブメニューがあって,"Snapshot Window"と"Snapshot All"があります."Window"の方は,windowの高さ,幅のサイズ,windowの位置をこれにより保存します."All"はこれに加えてさらにwindowの中にあるアイコンの位置も保存します.
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Show これも"Show Only Icons"と"Show All Files"のサブメニューがあります."Only Icons"はデフォルトで,これを選んでも直接windowには関係ありません."Show ALL Files"を選ぶと,アイコンをもたないファイルも疑似アイコンが表示され,普通のアイコンと同じように取り扱うこともできます.元にもどすには "Only Icons"を選びます.なお,さらにその中にドロワーがあるときには,そのドロワーの中もこのアイテムに従います.この中のドロワーを変更するには,さらにこのドロワーをオープンして,別のアイテムを選びます.
試しにRAM Diskをオープンしてみてください."Show ALL Files"を選ぶと,"Clipboards","ENV","T"のドロワーが見えます.さらに,"ENV"のドロワーには"Sys"のドロワー(中には"input.pref"と"wbconfig.pref"が入っています.),WorkbenchとKickstartのバージョンの数字が記録されたファイルが入っています.これらはすべてsturtup-sequenceでRAM Diskに書き込まれます.
(図)
"Clipboards"ドロワーはclipboard.deviceを使うプログラムを動作させるとき,データファイルをこの中に入れます.すなわち一時的にプログラム間で,データなどを交換する時などに使用します."ENV"ドロワーは環境変数(input.prefとwbconfig.prefもそのひとつです.)を記録します.この環境変数はAmigaDOSやそれで書かれたスクリプトによって変化します."T"ドロワーは多くのコマンドにより一時的に作成されるファイルのためのディレクトリィです.
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View By これにもサブメニューがあり,"Icons","Name","Date","Size"があります.Icons以外のサブメニューを選ぶと,ファイルのサイズ,読み込み,削除,実行,書き込みができるかどうかの属性および製作時間がテキスト形式で表示されます.このファイル名はアイコンと同じようにマウスのポインタでオープン,Drug Copyなどが可能です.
さらに,"Name"を選ぶと,ファイル名がアルファベット順に,"Date"を選ぶと新しい順に日付順に表示され,"Size"を選ぶとサイズ(Byte)の小さい順に(ドロワーは最初に)表示されます.これもドロワー(ディレクトリィ)の中にドロワーがある場合,親ドロワーの属性に従います.子ドロワーもそれぞれにこれらの属性を変えることが可能です.
さいごに
今回はどうも当たり前過ぎて,入門講座といえどもそこまで言う必要があるのかとお考えの方もおられると思いますが,あたりまえのことも文章にしてはじめて分かるということもあります.次回もあたりまえすぎることも書いていきたいと考えています.次回は残りのプルダウンメニュー[Icons]を説明いたします.特に"Infomation"アイテムは重要で,しかもわかりにくいところです.なお,この記事については思い込みや独断による錯誤もあるかもわかりませんのでご了解願います.