Workbench入門講座〜特別編〜 小矢部 隆

以前、この"AMIGA Japan"に付録ディスク(Vol.11)として付いていました"AKTerm"(注1)がどうしても動かなかったので、自分で工夫して動かす方法を見付けましたので、ここに掲載させていただきました。お恥ずかしい限りですが、漢字のフォントをRAMに複写するということが、どうもよく分からなかったのです。いろいろとCFCの皆さんに教えていただいたことを、まとめさせていただきました。

AKTermは、Diskに入っているフォントファイルをRAMにコピーしなければならないのです。私は、どうもこのことがよく分からず、最初はどうしていいか分かりませんでした。そのときはDisk MasterやDirectory Opusも持っていなくて、苦労しました。

まず、最初は、MS-DOSの要領で、SHELLコマンドラインから次のようにしていました。

copy DF0:K14_ANK16 to RAM:

copy DF0:K14_KANJI_16A to RAM:

copy DF0:K14_KANJI_16B to RAM:

毎回、こういうのをやるってのはとっても、疲れます。MS-DOSのようなワイルドカードがAmigaDOSにはないのか調べましたが、ありました!

copy DF0:K14#? to RAM:

"#?"がMS-DOSの"*"に代わるものだというのを知るには多少時間がかかりました。これだけでもよかったのですが、これをAmigaDOSのスクリプトファイルにして、それを実行することにしました。ShellからED(注2)を呼び出します。AKTermが入っているディスク(DF0:)に"PRESET"というファイルを作ります。

ED DF0:PRESET

すると、EDの画面が現れます。ここに前述の"copy DF0:K14#? to RAM:"を書き込みます。あるいは3つのファイルを別々にcopyするスクリプトを書いてもいいです。(最初に示したもの)終わればプルダウンメニューで、Saveして下さい。

さて、これにアイコンを付けます。アイコンエディタを起動させて下さい。ごく普通にエディタでアイコンを描いてもかまいませんが、他からもって来てもかまいません。そのときは、アイコンエディタのプルダウンメニューでファイルをオープンして下さい。そのとき、ファイルはアイコンのある".info"というファイルと、ドロワーしか表示しません。どのファイルをもって来ても構いませんが、3点について注意して下さい。

1つは、アイコンエディタでセーブする時に、"Save as"を選んで"PRESET"というファイル名にします。これで、"PRESET.info"というファイルが作成されます。2つ目はアイコンエディタのプルダウンメニューで、ファイルのタイプを"project"にして、セーブします。3つ目は、作られたアイコンのDifault Toolを"IconX"としなければなりません。この"IconX"はアイコンをダブルクリックすると、それと同じ名前のファイルを動作させるという、非常に重要なコマンドです。これは、普通は"C"ディレクトリィに入っています。これを設定するには、作られたアイコンをクリックし、WorkbenchのプルダウンメニューでDifault ToolをIconXに設定して、Saveして下さい。これで、このアイコンをダブルクリックすると、自動的にAKTermのフォントがRAMにコピーできます。

さらに、これはこのままでもいいのですが、このアイコンをダブルクリックして、自動的に立ちあげるために、さきほどのスクリプトファイルの最後に

run AKterm1.62

と加えれば、AKtermも自動的に立ち上がります。(編注:runはなくても動作します。)これで、私はAKtermを立ちあげるときに、いちいち、RAMにcopyコマンド、あるいはDiskMasterなどでコピーすることなく日本語通信を楽しむことができます。私はAKtermのコピーのスクリプトファイルを作成しましたが、この方法を知ると、これ以外のスクリプトを作成するときにも役に立つと思います。

この記事は編集部に来た郵便での質問を、小矢部さんの了解のもとに編集し直して、記事にいたしました。まちがいがあるかもしれませんが、ご了解願います。

(注1)AKtermはDAH(津田)さんが作られた日本語通信ソフトで、著作権はDAHさんにあります。シェアウエア(せんべいを送ること)です。

(注2)EDはAmigaのWorkbenchに入っている簡易エディタです。アイコンはついていませんので、SHELLから"ED ファイル名"と入力して動作させます。