Workbench入門講座〜その(7)〜
SPAT/DPAT
SディレクトリィにあるSPatですが、これは、ワールドカードが本来使えないコマンドに対して使用することができるようにするものです。実際にはRAM:Tのテンポラリーファイルにパターンマッチングされたスクリプトファイルを作成し、実行します。
実際に使用するには次のようにします。
SPat type S:s#?
これは、Sディレクトリィに入っていて、sで始まるファイルの内容を一度に表示するものです。
type "s:Shell-startup"
type "s:SPat"
type "s:Startup-sequence"
と同じことになります。このtypeでは確認できませんので、
SPat more S:#?
としてやると、上記のsで始まるファイルが次々にmoreのwindowとしてオープンします。なお、DPatは、引数が2つのコマンドに対して有効となります。
Pipe Handler
バッファーには2通りの種類があって一つは、LIFO(Last-in、First-out)というもので、一番最後に入れたデータが一番最初に出て来るものです。これは一般にスタックとよばれるメモリーです。これに対してFIFO(First-in、First-out)とよばれるバッファーは入れた順にデータを取り出せるものです。ランダム・アクセスできないファイルに対してどちらかの形式がとられます。
(写真2枚分)
Amiga DOSのPipe HandlerはこのFIFOに当たります。例えば、RAMに3つのテキストファイルを用意します。File1には"I love Amiga."、File2には"Amiga makes it possible."、File3には"Commodore Fan Club"と入力したとします。これをRAMからPileにコピーします。
Copy RAM:File1 to Pipe:
Copy RAM:File2 to Pipe:
Copy RAM:File3 to Pipe:
として、次にこのPipeの内容を出力します。
Type Pipe:
すると、結果は次のようになります。
Amiga makes it possible.
Commodore Fan Club
というように、合体して入力した順に出て来ます。この"Pipe:"の代わりに"Pipe:A"や、"Pipe:File"のようにファイル名をつけてもかまいません。ファイル名をつければ、別々のファイルとして扱われます。ただし、このPileは普通のようなDirとかCDなどのディレクトリィが作成できません。
(写真)
MS-DOSとの比較
MS-DOSをご存じの方は次のようなコマンドを使われたことがあると思います。
TYPE README.DOC | MORE
この"|"は"Pipe"と呼ばれるのをご存じだと思います。AmigaのPipeはこのMS-DOSのPipeと全く同じ働きをしているものなのです。すなわち、順に出力するためにPipeバッファーを使ったものなのです。Amigaには"|"がありませんので、次のようにします。
copy README.DOC Pipe:A
more Pipe:A
あるいは
type >Pipe:A README.DOC
more <Pipe:
です。1行にはできませんでしたが、MS-DOSのPipeの働きと同じです。実際にはAmigaではmoreだけで十分ですが。
RAD
RADはRecoverable RAM Diskの略で、リセットやGURUなどのエラーによるストップなどと関係が無く、その内容は保護されます。そのため、作業ファイルを安全な場所に移す持って来いの場所です。RAMディスクとは違ってRADは自動的には作成されません。使用するには、STrage/DOSDriversの中にあるRADアイコンをダブルクリックして下さい。いつも使用するときにはDEVS/DOSDriversに移して使用して下さい。
RADの大きさはRADのMountlistの中のパラメーターによって決められます。
ED DH0:Strage/DOSDrivers/RAD
(WorkbenchがDH0:にあると仮定して)
とすれば、RADのMountlistが出て来ます。なお、Workbenchが2.X以下のマシンは、devs/Mountlistとして下さい。このRADのMountlistの HighCylの値に注目して下さい。Workbench2.X以下のものは"HighCyl=10"ですが、3.Xのものは"HighCyl=79"になっています。79というのはフロッピー(880k)1枚の容量です。RADを使用するにはこれを79とします。なお、RADを作成するには2MB以上のRAMが必要です。
(写真)
もし、あなたがRAMが2MB以上あり、ハードディスクを持っていなかったならば、ブートをRADに変更することをお勧めします。RADは電源がOFFされれば、当然その内容が消えてしまいますので、あらかじめStartup-seqenceの内容を変更して、RADを使用するように変更します。このStartup-seqenceを変更する方法は^H!COMMODORE・991年7/8月号に西端さんが書いておられますので、ぜひご覧になって下さい。この方法だと、ハードディスクがなくても一瞬にしてRADからシステムが立ち上がるようになります。