Workbench入門講座〜その8〜

さて、今回からはPreferenceの説明を行います。このPreferenceはPrefsのドロワーの中に入っているもので、Amigaの環境のパラメータなどの設定を行うもので、非常に重要なドロワーです。なお、ここで設定するパラメータの多くは、Workbenchインストール時において、設定された値が、デフォルトとして設定されているものです。しかしながら、ほとんどの値は、このプリファレンスによって再度設定が可能です。

(図1)

LOCALE

さて、このLOCALEは、ユーザーの国、時間帯および言語を設定することができます。このLOCALEはめったに使うことがなかったのですが、最近ヨーロッパのソフトが増えてきたのですが、システム入りのディスクなどで、言語を英語に変更する場合があります。私の知る限りでは、LOCALEの言語のデフォルトは英語ですが、ドイツなどではドイツ語で設定されていると思います。

(図2)

さて、ハードディスクにWorkbenchをインストールした時に、ふつうは英語だけの1カ国しか選択しませんので、LOCALEのプリファレンス・エディタのAvailable Languages(利用可能言語)のボックスには、Englishしか入っていませんので、Preferried LanguagesにはEnglishしか選択できません。(何も選択しない場合は、Englishがデフォルトになります。)ですから、普通は、インストール時には、使用したいと思う言語はすべて選択しなければなりません。もし、インストール時に設定しわすれたならば、LOCALEディスクから必要な言語を選択することができます。この場合、DF0:またはDF1:などにLOCALEディスクを入れると、このディスクから自動的に他の言語を選択することができるようになります。

(図3)

次に、Countryのボックスから、普通は自分の国を選択するのですが、残念ながらJAPANはありません。このCountryを設定すると、日付や通貨の記号などが自動的に設定されます。これらの言語や国の選択は、プルダウン・メニュー、リクエスタ、メッセージなどが、指定した言語に変更されます。

このLOCALEプリファレンスにはTime Zoneの設定があります。メルカトル世界地図で日本の時差を選択すると、GMT-9(グリニッジ標準時より9時間早い)の表示が出て来ます。しかしながら、これを選択したからといって、次に述べる時間の設定が変化するわけではありません。

これらのLOCALEの設定はアプリケーションによって、希望の言語を選択することができるような機能があります。WorkbenchでEnglishを設定してもアプリケーションで、LOCALEを呼んで、他の言語を設定できるようになっている場合は、そのアプリケーションだけ、その言語を使用することになります。これを"局所化"と呼んでいて、言語の他に、日付。時間などがこれにあたります。

さて、言語などを設定すれば、Saveを選択して、リブートします。Useを選べばこのままの状態で他の言語の表示になりますが、Workbenchのプルダウンメニューやタイトルバーなどは変更されません。また、後にLOCALEディスクから他の言語を呼び出して使用するときは、Saveすることはできません。最初から複数の言語を使うときは、再度インストールしなおして下さい。ただし、この場合すべてインストールする必要はありませんので、Expert userを選んで、何をインストールするかは選んで下さい。なお、最初にEnglish以外のアイコンを選んでインストールすると、表示がその言語で表示され、さっぱりわからなくなるので、インストールする最初は"English"を選ばないとパニックになります。(この場合は後に"English"と"Deutsch"の複数を選択することになります。)

Time

このTimeエディタでシステムの日付、時間を設定します。西暦は実際に数字を入力します。月はサイクルギャジットをクリックすることにより選択します。日付はカレンダーから選びます。時間と分はスライダーを動かすことによって設定します。これらの設定はファイルのタイムスタンプなどに反映されます。

(図4)

Input

このInputエディタはマウスとキーボードの設定を変更することができます。まずマウスの速度(Mouse speed)ですが、3段階で設定できます。これはマウスによるポインタの移動の速度となります。Accelerationを選択すると、ポインタがスクリーンを移動するとき、サッと長い距離を短時間で移動することができます。ただし、小さい距離についてはそのままの速度です。また、ダブルクリックを認識するために、クリックと次のクリックまでの時間を設定することができます。範囲は1から200で、デフォルトは100です。これはTest Double Clickを選択して、ダブルクリックをすると、ダブルクリックが認識される時間内に行われた場合は"Double Clicked"と表示され、そうでない場合は"Too Slow"と表示されます。

(図5)

キーボードの設定ですが、Amihaのキーボードのキーは、押し続けるとリピート機能が働き、同じ文字が続けて表示されますが、少しでも触れたらリピート機能が働くと、キー入力がしづらくなります。そこで、最初の1回のリピートだけ遅延時間(Key Repeat Delay)を設けています。範囲は1から75で、ディフォルトは30です。また、リピートでの2回目以降の反復速度(Key Repeart Rate)を設定することによって、リピートの速さを設定できます。これの範囲は1から255までで、デフォルトは100です。これらの設定はKeyboard Testにより確認することができます。

(図6)ここは大きめの図[キーボードの図が2つ入ります。]

また、キーボードの種類も選ぶことができます。これは、主に英語圏で使われている"QWERT"配列とそれ以外の"AOEUI"配列のどちらかを選択することができます。日本でお目にかかれるのは、"QWERT"でしょうが、今後ヨーロッパのマシンが入って来ても、ここの設定を変えるだけで、いままでのキーボードを使うことができます。

Serial

このSerialエディタはAmigaについているSrial Portのボーレートなどを設定します。ここでは多くを述べませんが、ここで設定された値は"局所化"された値ではないということです。すなわち多くの通信ソフトのボーレートはまずこれに従うだろうということです。自分が14,400ボーのモデムを使っているとします。このSrial Rateが2,400に設定されていて、通信ソフトのボーレートを14,400にしても、2,400ボーの能力しかありません。ただし、例外があって、このBoud Rateを書き換える通信ソフトも中にはあると聞いています。ただ、注意するに越したことはありませんので、通信をするときには必ず、このボーレートを自分の使用する通信環境よりも高めに設定しておく必要があると思います。Boud Rateの設定は、110,300,1200,2400,4800,9600,19200,31250ボーしかありませんので、使用するよりも高いボーレートを選んで下さい。

(図7)

なお、その他の設定については、それぞれの通信環境での設定を行って下さい。日本国内のパソコン通信(国内を経由した海外を含む。)ですと、HandshakingはXON/XOFF、パリティはNone、1文字ビットは8、ストップビットは1とデフォルト値にして下さい。

(以下次号)